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負け組の童貞オタクが、ゲームで世界を救ってヒーローになったことで、「現実も悪くないぜ」とか上からほざいてくる胸糞系映画

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  • 2018年9月23日
  • 読了時間: 5分

いや、まじでここ最近観た映画の中で、ダントツ一番良かった。

ついに観てしまった、『Ready Player One』。最高だった。

何が最高だったって、いきなりVan Halenの「Jump」から始まって、キングコングが出てきて、シャイニングががっつりオマージュされてて、最終決戦のBGMはTwisted Sistersの「We're not gonna take it」ですよ!鼻血出ましたよ!



ここ最近、音楽でも映画でも、80年代の文化へのオマージュが多い。

特に音楽ではBruno Marsとかがばか売れしているんだから、信じられない。

そこで出てきてしまった、大御所スティーブン・スピルバーグ氏。

80年代のアメリカン・カルチャーを創り上げた彼は、どちらかというとオマージュされる側であるにも関わらず、重い腰を上げ(それか金が欲しかったか)、本気の映像作品を作ってきた。

そりゃすごいのが出来るに決まっている。


という訳で自分の中では2018年ベスト映画にノミネートしているこの映画の素晴らしさを、たっぷり自分なりの解釈で解説します!



何故主人公はアバターになるのか


文化に付随するノスタルジア、すなわち音楽とか聴いて「うわあ、これ懐かしい」っていう感情が、再評価され始めているように思う。

そしてその対象として取り上げられるのは、80年代のカルチャーだったりすることが多いい。


理由は単純で、この時代の文化を触っている人の母数が圧倒的に多いからだ。

ちょうどの80年代から文化の保存が始まった。

テープやVHSといった形で文化を触って保存できる時代が来たから、当時の若者はたまーに思い出した時にまた昔の感情を味わうことができる。

そんなノスタルジックな感情は、大人になればなるほど強まったりする。

そして「この曲懐かしい〜」と踊っている側には、生まれたての赤ちゃんがいたりする。それが今の20代の世代だ。

両親がよく聴いていた音楽は、子供にとってはある意味ノスタルジックなものとして記憶に刻まれたりする。

でも、ジャスティン・ビーバーは僕らの両親に届きづらい。

ノスタルジーには勝てないのだ。

ジャスティンをノスタルジーに感じれるのは、今から20年以上先の話になるだろう。そのころにはどうか似合わないヒゲを剃っておいて欲しい。


もう一つ80年代がオマージュの対象なのは、当時の時代を象徴する映画が未来を物語っていたということだ。(とはいえ、その文化を作ったのはスピルバーグ氏本人なのだが。)


『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ等、未来のテクノロジーに夢や希望が溢れていた。

そして今、彼らが未来としていた時代が来た。

空を飛ぶ車はないかもしれないが、カメラも撮れる電話が出て来た。

自動的に靴紐を結んでくれるスニーカーはないけど、ラッパーがスニーカーブランドをもったりしている。

スピルバーグの描いた未来とは違うかもしれないが、しっかりと時代は進化してきた。

だからもう一度、あの頃未来にワクワクしていた感覚を思い出して欲しかったのではないだろうか。

デロリアンを観て、未来に夢を抱いていたあの頃の感情を思い出すことが、一番のノスタルジーなのではないかと、スピルバーグ氏は踏んだ気がする。天才かよ。


そしてこれらの感情が、「何故主人公はアバターになるのか」に繋がる。

単純に未来の話をしていただけではない。

「どうしたら80年代を生きた人にとんでもないノスタルジーを感じさせることができるだろうか。」

その答えは、あの頃に聴いた音楽と一緒に、未来に対するワクワクをもう一度感じることだったのではないだろうか。

だからこそありきたりな勧善懲悪のジュブナイルストーリーも成立する。

とんでもないおっさんだ、全く。



今を生きる若者への警鐘

おっさんやオバハンをノスタルジーにしたかったとして、我らが20代にはどんな感情を与えたかっただろうか。


映画のメッセージとしては、散々楽しいバーチャルの世界を観せたにも関わらず、最後の方で「現実ともちゃんと向き合っていかなきゃね!」とか言ってくる。

お前が言っちゃダメだろ、それ。


でも、そういうことだ。むしろそれ以上深掘りできない。

そこで改めてこの映画の素晴らしさを感じたのであった。


現代の若者は、1日で1000回広告にあたり、辞書2冊分の情報処理を1時間で行っているとか言われている。

そんな状態だから、現代の若者にはどんなものにも薄い既視感が付きまとう。

「なんかどっかで観たことある映画だな〜」

「なんかどっかで聴いたことある音楽だな〜」


だからスピルバーグは、誰も観たことない映像で、文化のクロスオーバーを描き、超単純なストーリーを演出した。

もう、何も考えなくても楽しい。

説明不要のアドレナリンが身体中に溢れ出す、純粋な感覚を僕らに味わって欲しかったのだろう。

それこそが、映画の大きな魅力の一つであるということを、お得意の映像技術で伝えてきた。


だからこそ鍵もすぐに見つかるし、絶対に破れないシールドもぽろっと破れるし、好きな女の子とは付き合えるのだ。

そして、意外と最近、そういう映画の楽しみ方を忘れていたのかもしれない。

いや、もしかしたら20代で、そういう楽しみ方をしたことがない人がいるかもしれない。

「じゃあ、観せてやるよ!」

そういって御歳71歳のおっさんは、ものすごく若手の監督が作りそうな映画を昇華させたのかもしれない。



胃もたれしないビュッフェ

肩に全く力を入れないで観れる映画を久々に観た感じがする。

とにかく知ってるものが多すぎて、目が付いていかなくて、でもなんか楽しくなる。

未来なんだけど古臭さもほんのりあって、さすがスピルバーグ氏だな。。と改めて思い知らせる素晴らしい映画だった。


ちなみにこの映画、脚本には全く凝っていない。

敵軍の調査団はまじ使い物になってないし、

物語のキーとなる「イースター・エッグ」は、英語の俗語で「隠しメッセージ」という意味でそのままだし、映画では普通に金色の卵が出てくる。

やる気ゼロである。


<予告編>


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