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映画『十二人の死にたい子どもたち』を観たら、本当に死にたくなった話

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  • 2019年3月3日
  • 読了時間: 6分


以下に該当する人はブラウザバックを推奨します。


・この映画を観て面白いと思った人

・登場人物12人のうちに、一人でも応援している俳優・女優がいる人

・今度観ようと思って、既にチケットを取った人



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【映画鑑賞前の僕】


仕事のお休みをもらった平日のある日。

午後に予定が2つ入っていたが、たまたまその間が2時間ちょいくらいあり、

奇跡的に上映スケジュールがドンピシャで合う映画があり、

それが『十二人の死にたい子どもたち』だった。


いや、確かに、僕がいつも観ているようなジャンルの映画ではないし、

どうせまたこの前のプーさんの映画みたいに、時間の無駄になるだけだ。

そんなことは分かっていた。


でも、そんなのはもしかしたら偏見で、

とっても面白い映画だという可能性もあるかもしれない。

何なら新しい発見をするには、自分の知らない世界に飛び込むことが、

何より重要なはずだ。


僕はそんな気持ちを忘れていたのではないか?

橋本環奈が出てる映画なんて、幼稚園児の発表会とさほど変わらないと、決めてつけていたのではないか?


僕は映画館へ足を運んだ。

劇場内は偏差値が低そうな女子大生とマイルドヤンキーで溢れていた。


足し算すら怪しそうな女子高生二人がメロンソーダを飲んでいる横に、

僕は堂々とコロナとポップコーンを持って座った。

「なにこの人、杉咲花のファン?キモい」と言われたような気がしたが、

ここで挫けては新しい世界は開けない、そう思い我慢した。


劇場内が暗くなった。

隣の女子高生は携帯を開いたままだ。

ぶん殴りたい気持ちを抑えて、僕は映画の世界へ没入した。。。。




【映画鑑賞後の僕】

俺の118分を、返せ。


と言うことで、予想通りのクソ映画でしたので、気持ちよく盛大にdisって行きたいと思います。


まず、この映画のオフィシャルサイトを参考に、あらすじを紹介したいと思います。

このブログを読んでいるようなみなさんはおそらく実際に映画をご覧になることはないと思いますので、

がっつりネタバレしていきたいと思います。



<あらすじ>

”その日、12人の未成年たちが、安楽死を求め廃病院の密室に集まった。「みんなで死ねば、怖くないから」。"


と言うことで、自殺志願者たちによる、いわゆるオフ会がこの映画の主軸。

僕的には「お前らそんなイケメンでそんなに可愛いのに何故死にたい」くらいしか思ってませんでした。

自殺を心に決めた人って、容姿からしてもっと廃れてる気がするんですけど。



"ところが、彼らはそこで13人目のまだ生あたたかい死体に遭遇。突然の出来事にはばまれる彼らの安楽死。"


生あたたかいのは何故かと言うと、こいつは別に死んでないからです。

もうこういうオチは『SAW』シリーズで終わりにしとこうぜ!面白いくないから!な!




"あちこちに残る不自然な犯行の痕跡、次々起こる奇妙な出来事。彼らだけしか知らない計画のはず。まさかこの12人の中に殺人鬼が・・・?"


いません。



"死体の謎と犯人をめぐり、疑心暗鬼の中ウソと騙し合いが交錯し、12人の死にたい理由が生々しくえぐられていく。” 


ペチャクチャ喋っているだけです。

死にたい理由も、響きは悲しいけど、

役者たちの嘘くせえ、全く心のこもっていない演技のせいで、

1ミリも感情に訴えてきませんでした。

期待していた杉咲花に関しては、声がデカかった。

いや、よっぽど広瀬すずとかのが良い演技したんじゃね。




"全員、ヤバい。気が抜けない。いつ誰が殺人鬼に変身するのか?パニックは最高潮に。彼らは安心して"死ねる"のか。怯えながら"殺される"のか"


結局仲良くなって、LINE交換して、「また会おうね」とか言って終わります。



<全部が全部、後付けの予定調和>


この作品を観て最もクソだと思ったのは、脚本と演出だ。

音楽で言うなら、ベースとドラムのリズム隊がしっかりしていないことに等しい。


まず脚本がひどい。

あらすじにも書いた通り、物語は12人の関心が殺人鬼探しに向かうことで進む。

そこで何故か推理を始めるのが、画像右側の新田真剣佑だ。


いや、別にいいんだけど、視聴者にとっては12人の情報は全く与えられていないのに、

何故か場をリードしていく新田真剣佑。

そして事件が解決した頃に、「実は両親が警察官なんだ。推理が好きでね。」

そりゃ、そうでしょうねえ。


新田真剣佑がイケメンなせいで、事件は予定調和で解決されていく。


新田「靴がもう一足あるはずだ。。。」

ゴスロリ「私、トイレで見たよ!」

新田「殺人鬼は変装していたはずだ。。。」

ギャル「私、マスクと帽子が捨てられてるの見たよ!」

新田「この映画は駄作なはずだ。。。」

僕「私、そう思うよ!」



そして日本の若年層を狙ってなのか、セリフがわざとらしい

「おやめなさい!」とか言いますか?普通。

「はい!僕、見ました!」とか元気よく初対面の人に言いますか?

各主人公に個性を付けたいのは分かるけど、小手先すぎて引くわ。

推理ものって、思いもしないところから矢が飛んでくるから面白いんじゃないんでしょうか?



演出もうんち。


殺人鬼の手がかりを探しに、グループに分かれて病院内を捜索するんだけど、

その時に毎回、誰がどこへ行ったかを示すカットがご丁寧に現れる。

しかも字体とかも凝ってないただの説明のカット。

いる?それ。

しかも捜索シーンだけ何故か一瞬スローモーションが入るんだけど、何故?

間違えちゃったのかな?素人ちゃんなのかな?


あと、なんか喋ってる人だけがカメラを向けていられるのが気になった。

誰かが重要なことを言っている時に、

それを聞いている人の表情を写すことで、

その発言により深い意味を持たせると言うのは、映画の技法ではよく使われる手。

いわゆる「受け」の演技ってやつだけど、

この映画ではみんながみんな喋りたいこと喋って、

「ね!私、演技上手いでしょ!?」とドヤ顔をして終了。

そんな演出が、この映画を嘘くさく感じさせました。



<そもそも・・・>

最初からなんとなく分かってはいたが、

そもそもこの映画の対象年齢は12〜15歳くらいだろう。

高校生でも流石にクサい思うのではないかと思うが、

映画と言うものにまだちゃんと触れていない人にとっては、

絵も綺麗だし、有名な役者さんばかりだし、物語やトリックを丁寧に説明してくれるので、

観やすいのではないであろうか。


役者さんたちももしかしたらわざと嘘くさい演技をしていたのかもしれない。

そっちの方が、中学生的には面白いからだ。いや、むしろそう思いたい。


と言う訳で、これからは明らかに対象年齢に入っていない映画は観に行かないことにした。

そこに広がっているのは、新しい発見というよりか、

脱力感に伴う怒りしかないので。


ちなみに映画が終わったあと、隣の女子高生のうち一人が泣いていた。

横の友達が「どうしたの?」と半笑いで聞くと、

「マッケン(新田真剣佑)、死ななくてよかった〜」

やはり今時の女子高生の頭の中は、真剣佑が席巻中なのか。

はあ、死にたい。




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